Archive for 4月, 2025

残雪の里山で山菜さがし

火曜日, 4月 29th, 2025

里山の春の恵みである山菜を観察・採集するイベント、「山菜探し」を未だに雪の残るキョロロの森で4/29(火)に開催しました。

講師はキョロロの元館長であり、地域の自然・民俗に詳しい村山暁先生。山菜の種類やその採り方、味わい方について詳しく教えていただきました。

特に多くとれた山菜はエビラフジ。松之山では「アズキナ」と呼ばれています。雪融けとともに春先の日当たりのよい土手で現れます。風味は豆苗に似ていて茹でて「おひたし」にする他、炒めても、揚げても美味しい山菜です。参加者の皆さんは先端のあまり硬くない部分を手でちぎって採集しました。近くの土手ではコゴミやウドも採集でき、予想以上の大収穫でした。

採集した山菜は観察した後に、参加者の皆さんが天ぷらにして味わいました。味付けはシンプルに塩だけ。シンプルな分より一層山菜ごとの風味、歯ごたえ、香りの違いなどを感じることができ、五感を使って里山の恵みを学ぶことができました。

今年は冬期の豪雪の影響で場所によってはまだ1m弱も積雪が残っています。消雪が遅れているため、採集できる山菜が少ないことが危惧されましたが、最終的には21種もの山菜を見つけることができました。本イベントは5/5(月)にも開催する予定ですが、そちらでも多くの山菜が採れることが期待できそうです。

【イベントで見つかった山菜】
 1  フキ(フキノトウ)
 2  スギナ(ツクシ)
 3  アサツキ
 4  タネツケバナ
 5  ゼンマイ
 6  クサソテツ(コゴミ)
 7  ワラビ
 8  イタドリ
 9  ニワトコ
 10 ウド
 11 ヨモギ
 12 エビラフジ
 13 シオデ
 14 ユキツバキ
 15 トキワイカリソウ
 16 トリアシショウマ
 17 ヤマブキショウマ
 18 ミツバアケビ
 19 ヤブカンゾウ
 20 リョウブ
 21 ウワミズザクラ(アンニンゴ)

輝く新緑のブナ林【2025/4/27美人林】

日曜日, 4月 27th, 2025

\かがやく新緑のブナ林/
残雪の中、美人林ではブナの新緑の美しい季節を迎えています。
美人林は駐車場が除雪され駐車可能です。撮影や森林浴に訪れた皆さんでにぎわっております。

▲入口左側。雪の上を歩きます。

▲入口右側。

根元周りの雪が同心円状に融ける「根開け」も進んでいます。
積雪が4mを超えた大雪の冬を終え、今シーズンは残雪と新緑をセットで楽しむことができます。

▲ブナの根開け

美人林の中央にある池には雪解け水がなみなみと溜まっています。
水面には芽吹いたブナの芽から落ちた「芽鱗」がたくさん浮かんでいました。

▲雪解け水を湛えた池

美人林の標柱もようやく「美人林」の文字すべてが見えるよになりました!

▲美人林の標柱

美人林の駐車場は除雪が終わり、駐車可能です。
駐車場からは雪の上を歩いて美人林に入ります。
今年は地域内の桜が大変綺麗で、美人林の桜も満開を迎えています。

▲駐車場の桜

現在の美人林の雪解けの状況はライブカメラでご確認ください。
▼現在の美人林の様子はこちらから▼
http://matsunoyama.chu.jp/bijinn-view-new.jpg

ツル・ボイ伐りで山開き!里山の生き物サポーターズ

日曜日, 4月 27th, 2025

里山環境を保全し、持続的に利用することを目的にキョロロのスタッフと来館者が協働で里山管理活動を行う「里山の生き物サポーターズ」。4月26日(土)にまだ雪の残るキョロロの森で今年度の最初の活動を行いました。活動内容はフジや低木の除伐。キョロロの森で安全かつ楽しく多様な生き物の観察するための大切な準備活動です。

活動当日は温かく、からりと晴れた絶好の野外活動日和でした。今回の参加者は3名と少なかったものの、いずれもキョロロのベテランばかり。参加者はノコギリを、そしてあわよくば越冬から覚めた昆虫を採集するための捕虫網も携えて森へと出発しました。

様々な太さのフジが巻き付いたカラマツ。フジは初夏になると美しい花を咲かせる一方で、巻き付いた宿主を枯死させることや、宿主とその周囲の木に絡みつくことで木の伐倒を難しくすることから、森の保全や資源活用の面からは林内に繁茂させたくない植物です。山林の木々を積極的に利用していたかつての里山ではフジを除伐することは重要な山仕事の一つでした。

若いときは細く柔らかいフジも年を重ねるにつれどんどん太くなります。複数のフジが絡み合っている場合もあり、切るのは大人でも大変です。

根元を切ってブランコ状態になったフジに乗って一休み。はいピース!

今回の活動ではフジ以外にもリョウブやヤマウルシといった低木の除伐も行いました。低木や灌木(松之山の方言では「ボイ」あるいは「ボヨ」、「ボエ」とも)を伐採して林内を安全に歩きやすくすることもかつての里山では大切な作業でした。

ツル・ボイ伐りは樹木の保護や山林での活動の安全性を確保するだけでなく、灌木の少ない明るい林床にだけ生息する動植物を保全し、里山の生物多様性の維持にも貢献しています。今回の活動で手入れができたのはキョロロの森のごく一部ですが、参加者の皆様の頑張りのお陰で太く成長したフジを何本も除伐することができました。

「里山の生き物サポーターズ」はキョロロの森を舞台に、参加者の皆さんと協働で里山環境を整備しその保全を目指す体験イベントです。キョロロでは里山の環境を子ども達の自然体験や環境教育、研究フィールドなど、教育資源として活用しています。里山の自然が好きな方、里山の管理活動を体験してみたい方、子どもたちの環境教育の向上に貢献されたい方など、様々な方のご参加をお願いしています。

次回の里山の生き物サポーターズは5月25日(日)10:00~12:00に開催します。里山の保全にご関心がありましたら是非ご参加ください。