Archive for 6月, 2025

【いきものいっぱいの田んぼ】田の草とり&田んぼの生き物調査隊2025

日曜日, 6月 29th, 2025

6/15(日)・29(日)にキョロロのお米づくりイベントの一つ「田の草とり&田んぼの生き物調査隊」を開催しました。
田んぼを覗くとオタマジャクシが気持ちよさそうに泳いでいます。植えた苗も徐々に大きくなってきており、その周辺にはヒエやオモダカ、イボクサなどが生え始めています。
キョロロの田んぼでは除草剤を使わず手作業でのお米作りを実施しているため、草とりも手作業。
「田の草とり」はお米づくりで一番大変な作業といわれて大変な作業ですが、おいしいお米のために頑張りました!

▲6月15日の田の草とりの様子


▲6月29日の田の草とりの様子

後半は子どもたち中心に、手に網を持ちながら田んぼの生き物を調べました。田んぼの中にどんな生き物がいるかな?
歩くと泥で水が濁りますが、そのなかで動いているものを見つけて網ですくい上げます。
はたしてどんな生き物がいたのでしょうか。「オタマジャクシがいる!」「メダカがいた!」いろんな声が飛び交います。


6月15日には上陸直後のアカガエルの仲間(ヤマアカガエル・ニホンアカガエル)が観察できました。
6月29日にはトノサマゲルのオタマジャクシ、また上陸直後のツチガエルが観察できました。
田んぼでカエルの仲間が順調に育っています。

採集した生き物は、それぞれの種類について研究員から解説を聞きながら観察しました。
田んぼに暮らしている生き物たちも、食べたり食べられたりして過ごしています。
田んぼという人間がつくり出した環境にもたくさんの生き物がいて、それらが繋がって里山の自然ができていることを学ぶことができました。

6月15日は小雨の中、6月29日は暑い中、みなさんに田の草とりを頑張っていただきました。
草もたくさん生えますが、そのほかにも様々な生き物がすんでいる田んぼです。きっとおいしいお米になるでしょう!

▲田の草とりが終わったキョロロの田んぼ

ジュンサイの間引き!里山の生き物サポーターズ

土曜日, 6月 28th, 2025

キョロロのスタッフと来館者が協働で里山管理活動を行う「里山の生き物サポーターズ」。里山環境を保全し、持続的に利用することを目的に様々な活動を行っています。

第3回(6月28日)は、ため池に繁茂したジュンサイの間引き作業でした。今回は8名の皆さんと一緒にため池に入り、ジュンサイを引っこ抜きました。強い日が差すなかでの活動でしたが、大変ありがとうございました!


▲ ため池の水面を覆ったジュンサイの浮葉

ジュンサイの葉が減れば、その下に生える水草に光が届くようになります。光が入ってより多様な水草や藻類が増えれば、それに依存する昆虫や、さらにそれらを餌とする捕食性の昆虫、魚、鳥など、様々な生物の生育・生息に適した環境が増えていきます。今回の活動は、ため池内の環境のバラエティを増やすことで、生物多様性を高めるあるいは維持することに繋がることを期待して実施しました。


▲ 作業中の様子


▲ 根っこからジュンサイを引き抜く

引っこ抜いたジュンサイを見ると、ゼリー状の物質に包まれた新芽が。実はこの新芽、高級食材なんです。まさに、里山のため池から得られる恵み=生態系サービスのひとつですね。この新芽も摘んで、参加者の皆さんにお持ち帰りいただきました。今晩の食卓におかずが一品増えたそうです!


▲ ジュンサイの新芽

 

「里山の生き物サポーターズ」はキョロロの森を舞台に、参加者の皆さんと協働で里山環境を整備し、その保全と持続的な利用を目指す体験イベントです。キョロロでは里山の環境を子ども達の自然体験や環境教育、研究フィールドなど、教育資源として活用しています。里山の自然が好きな方、里山の管理活動を体験してみたい方、子どもたちの環境教育の向上に貢献されたい方など、一緒に汗を流してみませんか?

次回の活動は9月20日(日)10:00~12:00の開催で、「ヒシの間引き」を予定しています(7・8月は暑いのでお休み)。たくさんの方のご参加、お待ちしております!

松代中学校の生徒がトレイルランコース整備で環境学習

金曜日, 6月 27th, 2025

十日町市立松代中学校の1~3年生の生徒たちの環境保全学習の一環として、キョロロのスタッフが同中学校で出前授業を行いました。

「越後まつだい春の陣トレイルラン」で利用される松代地域に設置されたトレイルランコース。松代中学校の1~3年生の生徒は昨年度にこのコース上の落葉や落枝を集めて整備する活動を行い、集めた落葉や枝を積み上げる「エコスタック」を作成しました。今年度は作成したエコスタックを修復するとともに、こうした整備活動が里山の生物多様性にどんな意義があるのかを学ぶ授業を行いました。

午前中から開始した授業は、まずはキョロロのスタッフによる講義からスタート。「生物多様性」、「里山」、「人間による管理」をキーワードに山道の整備が生物多様性の保全の観点からどんな意味があるのかを考えました。

講義の後はトレイルランコースに全校生徒で赴き、コース上で観察できる動植物の解説を聞いたり、作成したエコスタックの中に生息する土壌動物を採集したりして自分たちの地域の自然の豊かさを学びました。

授業の最後には山道を熊手やスコップを使って整備し、再びエコスタックを組み上げて次回の「越後まつだい春の陣トレイルラン」に備えました。

整備したトレイルランコースはスギと様々な広葉樹の混交樹林となっており、様々な樹種が育つ気持ちの良い林でした。生徒たちが地域の自然を学ぶだけでなく、その管理・保全活動を実践することで様々な学びを得られる授業でした。