エゾマルカギバラバチ採集される
日曜日, 10月 8th, 2017珍しい生態をしているエゾマルカギバラバチが採集されましたので紹介します。
コガタスズメバチの巣の中から採集されたエゾマルカギバラバチの成虫
羽を広げた状態 表面
裏面
キョロロの裏の小さなブナの2mほどの高さにかけてあった危険なコガタスズメバチの巣を取り、中を確認していたら、1層目と2層目の間に、コガタスズメバチとは違うハチを見つけました。詳しく調べたらエゾマルカギバラバチということがわかりました。
このハチの生態は大変興味深く、非常にユニークな寄生戦略をしていることが知られています。まず、この成虫が葉の上に産卵した卵を、その木の葉を食べる鱗翅目(蛾や蝶の仲間)の幼虫の体内に入り、この幼虫を狩りに来たハチが肉団子にして自分の蜂の巣に運び、そのハチの幼虫に寄生します。巣の中の幼虫の中で成虫となり孵化するという過程を経るようです。
キョロロの裏にかけてあったコガタスズメバチの巣(今朝駆除したもの)
この巣の上の2段の巣の間からエゾマルカギバラバチの成虫が見つかりました。
余談ですが、巣から取り出した幼虫を成長順に並べてみました。
コガタスズメバチの幼虫の成長段階
腹節の斑紋の違う成虫
頭部の拡大写真
コガタスズメバチはオオスズメバチによく似ていますが、コガタスズメバチの背中には模様が全くないところで区別できるようです。
秋はハチが多くなる季節です。野外活動には気を付けましょう。
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撮影日:2017年10月8日