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里山の生き物サポーターズ③④-ため池のヒシ採り-を開催しました。

月曜日, 9月 20th, 2021

「里山の生き物サポーターズ」を9/18(土)に開催しました。「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動したボランティアの皆さんの協力による生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています。
第3回(7/31)、第4回(9/18)はため池のヒシ採りを行い開放水面をつくる活動を行いました。キョロロの森に隣接するため池では、体験学習やイベントで様々な水生生物を観察することができます。例年夏になると池の水面が見えなくなるほど一面にヒシが繁茂します。今回の活動ではヒシの一部を除去し開放水面をつくることで、大きな開放水面を好む生物にとっても利用しやすい水辺環境をつくりました。ちょうどヒシの実が収穫できる時期ともなりましたので収穫も楽しみました。ため池の生き物も観察しながら、ヒシ採りを通じて水辺の生き物の生息環境づくりにつながることを期待しています。

まずはヒシ採りの道具を作るところからスタートしました。
小さな熊手をひもの先端に括り付けた秘密兵器を一人ひとつづつ作ります。

この道具を池に投げ入れ、引っかかったヒシを引き寄せます。
急いで引っ張ると水中の伸びている長い茎がブチっと切れてしまうので、ゆっくりと引っ張るとたくさんのヒシが引っかかってきます。



ヒシを裏返すと緑色の種子がついています。ちょうと食べ頃とのことです!
葉の柄の途中に見えるふくらみは、内部がスポンジ状になっており、これが浮きの役割をしてヒシは水面に浮くことができます。


今回の楽しみの一つはこのヒシの実採り!
昔は9/20前後になるとため池でヒシの実採りを行ったことや、使った道具の話、食べ方など、地域の方からいろいろお伺いしました。


拡大するとこのような形や模様をしています。
オニのような角や愛くるしい表情が見えたりします!




時折小雨が降る中でしたが、皆さんのご協力で4つのため池の水面のヒシ採りを完了しました。
各池の開放水面はおおむね50%以上となり、水面がある・ないといった多様な環境がため池内にできました。
今後も池の様子や水生物の様子を観察していきたいと思います。
ヒシの実のめぐみはお持ち帰りいただき美味しくいただきました!

<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」を実施しています。木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながら里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが参加できるボランティア参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。