Archive for 2月, 2023

4年ぶりに開催!第12回つまり市民里山学会

月曜日, 2月 20th, 2023

\里山の自然や文化の魅力を知り・伝える、私たちの活動/
豊かな自然環境に恵まれた妻有(つまり)地域の里山の自然や文化を、市民が主役となり関わりながら、調査研究、教育・普及、実践活動を行った成果を発信する「つまり市民里山学会」を4年ぶりに開催します。今回は、高校生や小学生による、絶滅の恐れのある魚類や両生類に関する調査研究活動や希少種の発見秘話、博物館の古文書整理ボランティアによる活動、さらに津南町の苗場山麓ジオパークに関する活動紹介など、妻有地域の自然環境分野から文化的分野に至るまで、多彩な構成で5つの発表が行われる予定です。


【日時】令和5年3月12日(日)午後1時30分~午後4時10分
【会場】十日町情報館 視聴覚ホール
【参加申込】キョロロまでご連絡ください。
【発表内容】※敬称略。時間は目安です。
13:30 開会

13:40~14:00「十日町市に生息するホトケドジョウについて」
保坂紗良・髙橋小珠・若井鈴加・馬場吉弘(十日町高等学校生物部)
14:00~14:20「苗場山麓ジオパークの活動紹介」
佐藤信之(津南町教育委員会文化財班・ジオパーク推進室)
14:20~14:40「心に残ったわたしの1枚 ~写真が語る十日町の暮らしと人々」
髙橋由美子ほか(十日町市古文書整理ボランティア)
14:40~15:10 質疑応答&休憩

15:10~15:30 「トノサマガエルはなぜ絶滅危惧種になったのか?-田んぼの「中干し」とオタマジャクシの上陸時期の関係-」
小林茜里(まつのやま学園)
15:30~15:50 「新潟県初記録の昆虫の死骸から発生する珍カビ発見秘話」
富塚茂和(「森の学校」キョロロ)・井上大地(まつのやま学園)・井上理英(松之山)
15:50~16:00 質疑応答
16:10:閉会あいさつ・閉会

新型コロナウイルス感染症拡大を受け、令和元年度から休止をしてきましたが、4年ぶりに再開します!
皆さまのご参加お待ちしております。

珍鳥「カヤクグリ」松之山で初確認

日曜日, 2月 19th, 2023

今月2月1日に、松之山温泉の旅館から「窓ガラスに衝突した野鳥が落ちていた」とご連絡いただき、松之山野鳥愛護会と確認したところ、これまで松之山では記録がなかった「カヤクグリ」だとわかりました。
カヤクグリ(イワヒバリ科カヤクグリ属)は高山や亜高山帯で繁殖し、冬季には低山や丘陵地にも飛来する日本特産の野鳥です。名前の由来は、冬季は茅(ススキなど)に潜むように暮らし、姿を見せず藪の下を潜ることに由来するとのことです。全体的に(特に上面)こげ茶色、下面は灰黒色で、頬に細かな白斑があります。
松之山野鳥愛護会によると、1981年からの松之山での記録種数は今回のカヤクグリの確認で149種となりました。

この個体は、全長14㎝、翼開長22㎝、体重22.6gでした。

【市民協働調査】2月の雪虫しらべの報告

日曜日, 2月 19th, 2023

先日の2月18日(土)、午後1時半からキョロロの森の雪上に出現する昆虫やクモを調査する市民協働調査、「雪虫しらべ」を開催しました。
天候は曇り、積雪深は235cm。当日の午前中は気温が高く、調査開始時点では気温が約10℃でしたが調査中に気温が低下し、調査終了時には約7℃になっていました。

スノーシューと雪虫を捕まえるための吸虫管の準備をして出発すると、さっそくキョロロの建物の傍で体が丸いトビムシの一種、コシジマルトビムシが見つかりました。

キョロロの森の中では大量のクロユキノミとサヤツメトビムシが雪上を闊歩しており、吸虫管を使ってそれらを捕まえました。

この時期にはちょっと珍しい、クモガタガガンボ属の仲間も見つかりましたが、残念ながら既に死亡していました。

ユスリカの仲間の雌雄ペア。メスは逃がしてしまいましたが、雄は何とかゲット!持ち帰った個体を調べた結果、ヤマユスリカ亜科の一種(タカタヤマユスリカ?)であることが分かりました。

調査途中ではウサギの足跡やその糞・尿、オオアカゲラや、カビ(アリタケ?)に寄生されたトゲアリ、イラガの繭なども観察でき、雪虫以外にも雪上の様々な生物の営みを感じることができました。

1時間半ほどキョロロの森で採集した後、キョロロ館内に戻って採集した雪虫をデジタル顕微鏡で観察・同定しました。

同定の結果、今回の調査では3目6 科8種の雪虫を見つけることができました。
調査前日までは暖かい日が続いたためもっと多くの雪虫が出現することを期待したのですが、調査中に気温が下がったためかあまり大型の雪虫を観察することはできませんでした。
今年度の雪虫調査は残すところあと1回、3月18日に開催します。春も近づいていることなので、次回の調査ではより多様な雪虫の出現を期待したいと思います。

【出現した雪虫】
クモ目

   1.シロブチサラグモ
トビムシ目
   2.クロユキノミ
   3.サヤツメトビムシ
   4.コシジマルトビムシ
ハエ目
   5.ヤマユスリカ亜科の一種 ♂
   6.エリユスリカ亜科の一種 ♀
   7.クモガタガガンボ属の一種 ♀
   8.ハエ目の一種 (幼虫)