ツル・ボイ伐りで山開き!里山の生き物サポーターズ
2025年 4月 27日at 9:54 AM kyororo @③イベントだより
里山環境を保全し、持続的に利用することを目的にキョロロのスタッフと来館者が協働で里山管理活動を行う「里山の生き物サポーターズ」。4月26日(土)にまだ雪の残るキョロロの森で今年度の最初の活動を行いました。活動内容はフジや低木の除伐。キョロロの森で安全かつ楽しく多様な生き物の観察するための大切な準備活動です。
活動当日は温かく、からりと晴れた絶好の野外活動日和でした。今回の参加者は3名と少なかったものの、いずれもキョロロのベテランばかり。参加者はノコギリを、そしてあわよくば越冬から覚めた昆虫を採集するための捕虫網も携えて森へと出発しました。
様々な太さのフジが巻き付いたカラマツ。フジは初夏になると美しい花を咲かせる一方で、巻き付いた宿主を枯死させることや、宿主とその周囲の木に絡みつくことで木の伐倒を難しくすることから、森の保全や資源活用の面からは林内に繁茂させたくない植物です。山林の木々を積極的に利用していたかつての里山ではフジを除伐することは重要な山仕事の一つでした。
若いときは細く柔らかいフジも年を重ねるにつれどんどん太くなります。複数のフジが絡み合っている場合もあり、切るのは大人でも大変です。
根元を切ってブランコ状態になったフジに乗って一休み。はいピース!
今回の活動ではフジ以外にもリョウブやヤマウルシといった低木の除伐も行いました。低木や灌木(松之山の方言では「ボイ」あるいは「ボヨ」、「ボエ」とも)を伐採して林内を安全に歩きやすくすることもかつての里山では大切な作業でした。
ツル・ボイ伐りは樹木の保護や山林での活動の安全性を確保するだけでなく、灌木の少ない明るい林床にだけ生息する動植物を保全し、里山の生物多様性の維持にも貢献しています。今回の活動で手入れができたのはキョロロの森のごく一部ですが、参加者の皆様の頑張りのお陰で太く成長したフジを何本も除伐することができました。
「里山の生き物サポーターズ」はキョロロの森を舞台に、参加者の皆さんと協働で里山環境を整備しその保全を目指す体験イベントです。キョロロでは里山の環境を子ども達の自然体験や環境教育、研究フィールドなど、教育資源として活用しています。里山の自然が好きな方、里山の管理活動を体験してみたい方、子どもたちの環境教育の向上に貢献されたい方など、様々な方のご参加をお願いしています。
次回の里山の生き物サポーターズは5月25日(日)10:00~12:00に開催します。里山の保全にご関心がありましたら是非ご参加ください。