Archive for 11月 19th, 2014

第20回里山学会のご報告

水曜日, 11月 19th, 2014

11月16日(日)に松之山自然休養村センターにて第20回里山学会「雪里における人と野生鳥獣との共存」を開催しました。多くのみなさまからご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。

今回のテーマは「鳥獣被害」。
基調講演では、NPO新潟ワイルドライフリサーチ副会長で新潟大学自然科学系助教の望月翔太さんから「鳥獣被害の最前線-野生動物による農林業被害を防ぐためには-」をご講演いただきました。

最善の防除と適切な駆除。その実現に向けた「人」「動物」「土地(生息地)」の管理。科学的な調査研究をベースとして、リスクマネージメントを行っていく重要性を学ぶことができました。

その後、十日町地域振興局健康福祉部の小林庄一さんから「十日町地域における有害駆除実績について」話題提供いただきました。

その後、新潟県猟友会会長で十日町支部長でもあられる池田富夫さんから「猟友会から見た十日町市の鳥獣被害の現状」について話題提供いただきました。

基調講演、話題提供を受けましてパネルディスカッションを行いました。
会場からもたくさんのご質問をいただきました。お時間の関係ですべてはご紹介できませんでしたが、クマの学習放獣の課題、ジビエの可能性、猟友会の将来など、この問題に関連した多岐にわたる市民の皆様の関心の高さを感じることができました。またパネリストのみなさまからは、科学的な調査研究をベースとしたリスクマネージメントの重要性、新潟県の鳥獣被害対策の展望、猟友会の役割と将来展望についての示唆に富むコメントをいただきました。

当地域は他県に比べれば被害規模はまだまだ小さいですが、ニホンジカの侵入やイノシシの増加、ツキノワグマの出没など野生鳥獣の増加はまさに「他人ごとではない」という声は会場からも多く聞こえました。
野生鳥獣が増えてしまったあとではなく、個体数が少ない「今」だからこそできること、考えなくてはいけないこと、今後私たちがこの雪国の里山に住み続けるためにも、非常に重要な視点を提供していただけたと思います。

改めまして、多くのみなさまからご来場いただきましてありがとうございました。

map_link_img地図へのリンクはこちら
撮影日:2014年11月16日