雪解け時期に現れる「好雪性粘菌」を来館者が発見
金曜日, 4月 3rd, 20263月29日(日)に開催された「里山の生き物探検」で、キョロロの敷地内では珍しい好雪性粘菌(こうせつせいねんきん)の子実体(しじつたい)をイベント参加者の小学生が見つけてくれました。

粘菌と呼ばれる生き物には複数のグループの生き物が含まれていますが、好雪性粘菌は「真正粘菌」または「変形菌」と呼ばれるグループ。キノコに似ていますが、実際にはキノコなどの真菌類とは全く異なるグループで、現在はアメーバ類に近い仲間だと考えられています。
今回見つかったのはちょうど雪解けの時期に現れるルリホコリ属 Lamproderma の一種だと考えられます。拡大すると直径1mm程度の子実体が瑠璃色に輝いている様子を観察できる非常に美しい変形菌です。
これまでキョロロの森では子実体の柄の部分は見つかっていたのですが、子実体の袋(胞子嚢)の部分が残っている状態で見つかったのは今回が初めてで、非常に珍しい記録となりました。

変形菌は奇妙な生活を送ることが知られています。胞子から生まれるのは「粘菌アメーバ」と呼ばれる単細胞の形態で、水中や陸上で細胞分裂によって増えます(無性生殖)。粘菌アメーバには雌雄のようなものがあり、お互いに出会うと細胞同士が合体して核融合して「変形体」となります。
変形体は細菌などを食べて成長します。その内部では細胞核が分裂を繰り返しますが、奇妙なことに細胞分裂はせず、一つの細胞の中に多数の細胞核が含まれた状態で次第に大きくなります。
アメーバのように平たく広がって成長した変形体は、何らかの刺激を機に、一か所に集中して立ち上がり「子実体」を作ります。子実体の内部では細胞分裂が行われて胞子が作られ、それが風に乗って分散することでまた新しい粘菌アメーバが誕生します。

▲今回見つかった子実体。実物はこんなに小さいです
雪国らしい生き物の一つである好雪性粘菌。松之山では5月に大厳寺高原で見つかっているので、まだ見つける機会はあると思われます。雪消えの際で落ち葉に目を凝らしてみれば見つかるかもしれません。ぜひ探してみてはいかがでしょうか!

▲その後も同じ場所で探していますが、見つかりません…発見者の方、すごい!




