【命名!みんなのワクワクビオトープ】水辺ビオトープづくり:里山の生き物サポーターズ①

「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動した市民参加型生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています。
「水辺ビオトープづくり」では、昨年から耕作放棄されていた田んぼ跡を水辺に戻し、いろいろな生き物が暮らし、観察できる環境づくりを目指しています。
作業はスコップで田んぼ跡の地面を掘り下げ、水がたまったり流れたりする環境を作ります。4月は昨年みんなで作った水辺ビオトープを拡張しました。


何年も放置されてきた田んぼ跡には大きく成長したススキの株がたくさんあり、掘り出し除去するのはなかなかの力仕事。
参加者の皆さんとは「こんな水辺をつくってみたらどうだろう」「こんな生き物が集まってきたらいいな」と、この小さな自然再生の目指したい将来像を共有しながら、活動を継続していきました。
そして活動2年目となったこの春、このビオトープではうれしいニュースがありました。
小さいながらも水辺が再生されたことで、「ニホンアカガエル」「クロサンショウウオ」といった両生類の産卵が確認されたのです!
継続して活動に参加されている皆さんにとっても、とてもうれしい出来事となりました。

▲ニホンアカガエル

▲初確認されたニホンアカガエルの卵塊

カエル以外にも、オニヤンマのヤゴ、コオイムシといった水生昆虫も見られ、観察できる生き物の種類や数が増えてきています。
また掘り起こした土の中で眠っていたスミレのタネが発芽し、植物も含めた生物多様性の再生につながってきています。
「生き物を守りたい」という一人一人の願いと行動が、少しずつ効果を伴ってきている、そんな実感につながったうれしい出来事でした。

今回の活動では参加した子ども達と一緒にこのビオトープの名前も考えました。
ついた名前は「みんなのワクワクビオトープ」。みんなで作り、そこにいろんな生き物が集まり、ワクワクする観察が出来る、そんな願いが込められています。
「里山の生き物サポーターズ」では、一歩一歩、今年も様々なフィールドで小さな自然再生をみんなで楽しく継続していきます。
里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。

Comments are closed.