「森の学校」キョロロ研究報告4巻発刊のお知らせ

今年6月末に、キョロロ学芸員・(元)研究員やその関係者による研究・事業の成果が「森の学校」キョロロ研究報告4巻にて公表されました。PDFで無料で閲覧可能です。

https://www.matsunoyama.com/kyororo/bulletin-of-research

今回は研究報告が7報、事業報告が1報あり、いずれもキョロロ周辺や十日町市内で実施された調査や事業がベースとなっています。研究報告では十日町市の生物相に関する研究結果がまとめられており、絶滅危惧種や日本全国~松之山ローカルレベルまでの新記録種が多く報告されています。

今回の研究報告で特に目玉となるのは、表紙になってる「ヤチアミメトビケラ」の十日町市での初記録!本種は本来は標高1000m以上の高層湿原に生息しますが、標高約300mのキョロロの森での本種の発見はトビケラ業界では大きなインパクトがあったようです。

また、止水域の水生植物相の調査結果は松之山地域内の池で分布を広げている恐れがあるアメリカザリガニの影響をモニタリングする上での貴重なデータとなることが期待されます。その他の報告についても過去にない貴重な研究成果となっていますので、ご関心のある方は是非ご覧ください。

 

<研究報告>

■新潟県産ガガンボ上科の文献記録及び松之山からの追加記録(昆虫綱:ハエ目) 加藤大智
■新潟県十日町市松之山で採集されたトビケラ類(昆虫綱)の記録 河瀬直幹・加藤大智

■十日町市松之山のハナアブ科の追加記録(昆虫綱:ハエ目  加藤大智・平賀戸貴和・平賀利江・小林頼叶・小林光・村越心士・村越菫・村越勝彦・村越舞・大谷成輝

■小坪野沢の底生動物相 大平 創

■新潟県十日町市におけるマツヘリカメムシの初記録 大平 創・加藤大智

■「森の学校」キョロロ周辺の止水域に生育する水生植物の種組成 斎藤達也・櫻井俊司

■十日町市におけるハナダカダンゴムシの初記録(等脚目,オカダンゴムシ科) 富塚茂和・小海修

<事業報告>

■植物染色試料の収集を目的とした市民協働調査「草木染で里山の色探し」の実践 斎藤達也

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