自然を科学的に探究するフィールドワーク

5/27(月)長野県飯山高校探究科の1年生約80名がキョロロに来館し、「科学的な研究の方法」を学ぶことを目的として、里山を舞台としたフィールドワーク(野外調査)を行いました。飯山高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、特に探究科は科学的思考や国際性を育むことを重視した学科です。松之山での活動は4年目になりました。

午前中は、3つのグループ(野鳥班、ブナ林班、土壌動物班)、計10班分かれて、キョロロの学芸スタッフや地域の自然観察インストラクター、上越教育大学の学生などのサポートのもと、キョロロ周辺の里山で野外調査を行いました。
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野鳥班はキョロロの森の園路を一定の時間をかけて歩きながら、環境毎に確認された野鳥の種類や個体数を記録し、その生息密度を推定しました。
ブナ林班は、観光利用されているブナ林「美人林」の中で、人が多く訪れる地点とほとんど訪れない地点の間で、林床に生育する植物の種類や土壌の硬さ、落ち葉の粉砕の程度などを比較し、美人林のオーバーユースの改善策を考えました。
土壌動物班は同じく人の出入りの頻度が異なる美人林の2地点において、一定時間土壌中に生息する小さな生き物たちを吸虫管などで採集しました。採集した土壌動物を室内に持ち帰り、ルーペなどを使ってその種類や個体数を調べ、地点間で比較しました。

午後は、午前中の野外調査で得られたデータから明らかとなったことを班ごとにまとめ、発表し合いました。
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およそ1時間という限られた時間の中で、高校生たちは活発に議論を交わしながら発表準備を行い、得られた結果をグラフや表にしたり、撮影した写真をプロジェクターで投影して見せたりと様々な工夫を凝らした発表をしてくれました。
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高校生になったばかりとは思えない堂々とした発表ぶりにとても驚かされました。
今回の体験が、自然を科学的に捉え、考えることの大切さや面白さを理解するきっかけとなれば嬉しく思います。

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