「比べてみました!虫のスゴ技展」の虫投票の結果

 2020 年 7 月 18 日に開幕した「比べてみました!虫のスゴ技展」は10月18日をもって閉幕となりました。今回の内容は特に虫好きの方に楽しんで頂けるようなマニアックな内容で、さらには新型コロナの影響もあったため、皆様のご反応が気になるところでした。しかし、この期間では昨年よりも多くの皆様にご来館頂きました。心より感謝申し上げます。

 本企画展では、虫の人気投票を行っていましたが、合計で498の票が入りました。ではまず投票者の傾向を見ていきましょう。性別については図1を、年齢構成は図2を見てください。男女はほぼ半々で、年齢は10代未満で56.1%と最も多く、次いで多かったのが23.1%の10代でした。男女別で年齢構成を比較すると(図3・4)、10代未満では男性の方が多く、その代わりに女性では10代から40代の割合が男性よりもそれぞれ高いことが分かりました。

 次に虫の人気ランキングを見ていきましょう(表1)。最も多くの票を獲得したのはやはり「カブトムシ」の61票でした。第2位は33票の「ヘラクレスオオカブト」、第3位は26票の「カマキリ」「オオカマキリ」でした。ランクインできなかった種類を含めると、合計135種類もの票が入り、非常に多様でした。そのうち大半を占めたのは、1票のみを獲得した虫たちで76種類、2票のみを獲得したのは44種でした。1票のみと2票のみの種類を合わせると、全体の種類の72.6%、票数では全体の24.1%も占めていました。また、上位10種類それぞれで男女投票率を比較すると、男女どちらかに偏る種類が見られました(赤色部)。ヘラクレスオオカブト、カマキリ、ミズカマキリ、マツモムシ、イオウイロハシリグモ、ギラファノコギリクワガタでは明らかに票が男性に偏っていました。一方でチョウやガ、オオミズスマシ、ダンゴムシでは女性に偏っていました。男性ではハンターの虫や見た目がカッコイイ虫を好み、女性は丸っこくかわいらしい虫を好む傾向があるようです。

 カブトムシ、クワガタ、カマキリ、チョウなどが上位に来ることは予測できましたが、ウスバカゲロウ(アリジゴク)、オオミズスマシ、マツモムシ、イオウイロハシリグモ、ダンゴムシが上位に来たのは個人的に予想外でした。例えばオオミズスマシは人前でひたすらぐるぐると泳いでくれるサービス精神旺盛なところが気に入られたのかもしれません。

 票をどうまとめるかは難しいところがありました。例えば「カマキリ」と「オオカマキリ」、「バッタ」と「トノサマバッタ」のように同じ票としてまとめても良さそうな票も今回は公平に分けてカウントしました。これをどうするべきかは皆様それぞれのお考えがあるかと思います。皆様の基準で票をまとめて違うランキング結果を作ってみてもいいかもしれません。

 人気投票の説明パネルでさりげなく載せていた仮の人気ランキングにお気づきになったでしょうか。そこには我々研究員のマイナーな研究対象である「トビムシ」や「ガガンボ」を願望としてランクインさせていましたが、現実は甘くなく、トビムシ目で3票、ガガンボに関しては0票という清々しい結果に終わりました。このように人気の虫たちの引き立て役をこなしつつ、ひそかに人気上昇の策を練っていきたいと思います。投票してくださった皆様、展示を見に来てくださった皆様、重ねて御礼申し上げます。

 

Comments are closed.