今年第2回目の「里山の生き物サポーターズ」を5/29(土)に開催しました。「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動したボランティアの皆さんの協力による生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています。
今回は「間伐木を集めて昆虫ハウスづくり」をテーマに、間伐木を集め昆虫の産卵床や隠れ家(昆虫ハウス)をつくります。このような雑木林の低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中にもこういった管理が停止した低木の群落が多く見られます。間伐により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。
今回は昨年からの活動エリアを広げる形で、低木の間伐と間伐木を集め積み上げる活動を行いました。
子どもたちもたくさんお手伝いをしてくれました!
ノコギリを使って木を伐ったり、大きな枝やツルを運んだり大活躍です。
間伐した木々は数か所に積み上げ、昆虫の産卵床や隠れ家のための「昆虫ハウス」としました。
また林内がすっきりすることで、森林性の猛禽類なども生息しやすい環境になることも期待しています。
今回の間伐木の中にはキハダが含まれており、とても鮮やかな黄色い樹皮(内側)を観察できました。
またフジのツルがかなり多く、こちらも木工などの材料にいただいてきました。
液果を実らせる樹木、昆虫が訪花する虫媒花の樹木、子どもたちが遊べそうな木など、活動の中では“伐らない木”も皆さんと考えながら選定し活動を進めていきます。
森のようちえんなどの木育イベントの会場としても活用していきたいと考えています。
次回は7/31(土)に開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは里山管理活動と連動したボランティア型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」を実施しています。木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながら里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが参加できるボランティア参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。