晩冬の蛾観察会

蛾の仲間には、寒い冬の夜にも活動する種類が居ます。
そんな蛾を観察するため、3月21日にライトトラップを灯し、蛾の観察会を行いました。
遠方からいらした方も交え、6名の参加者が集まり、賑やかな観察会になりました。

3mあった雪は徐々に解け、建物や道路の周り、木の根もとなどは地面が見え始めています。しかしまだまだ森の中は雪一色。
蛾たちはいったい何処から湧いて出てくるのでしょうか。羽脱の瞬間も見てみたいものです。
この日の日没は18:30。ライトトラップは、まだ空の明るい18:00から20:00まで灯しました。

この日多く飛んできたのは、ハイイロフユハマキ〈Kawabeia razowskii〉という蛾。

冬の蛾の代表格であるフユシャクの仲間に、姿形が似ています。
しかし、フユシャクはシャクガ科なのに対して、ハイイロフユハマキはハマキガ科で、全く違うグループです。
別名をフユシャクモドキと呼ばれ、私も観察会中はフユシャクの仲間と思い込んでいました……
その他にもキリガの仲間が飛来しましたが、観察する間も無く素早く飛んでいってしまいました。

この観察会の1週間前と1週間後にも、ライトトラップをしてみました。
3月14日には、フユシャクの仲間であるクロテンフユシャクや、雪解けとともに現れるタニガワモクメキリガ、トビモンオオエダシャク、オカモトトゲエダシャクが見られました。


▲クロテンフユシャク〈Inurois membranaria
都市の公園から山地まで、全国的に分布する普通種。冬の初めと終わりに現れます。
幼虫はクヌギ・コナラなどを食べます。


▲タニガワモクメキリガ〈Brachionycha permixta
鼠色のフワフワな蛾。山地の蛾です。成虫の出現時期は短いようで、3/14にしか見られませんでした。


▲トビモンオオエダシャク〈Biston robustus
早春に現れる、一際大きなエダシャク。翅を広げると7cm近くになります。


▲オカモトトゲエダシャク〈Apochima juglansiaria
早春に現れるエダシャク。細い翅をさらに細く畳む、奇妙なフォルムでとまります。

3月27日には、トビモンオオエダシャクやオカモトトゲエダシャクに加え、シロテンエダシャクが多く飛来しました。また、スモモキリガやスギタニキリガといった、春にしか見られないキリガの仲間が飛来しました。
一方で、クロテンフユシャクやハイイロフユハマキもまだいます。


▲シロテンエダシャク〈Cleora leucophaea
都市の公園から山地まで、全国的に分布する普通種。早春から初夏まで、長く出現します。
前翅の先にぼやけた白い紋があるのが特徴ですが、模様の個体変異が激しいので、わかりづらい個体もいます。


▲スモモキリガ〈Anorthoa munda
前翅の先に2つの黒点が並んでいるのが特徴。
幼虫は、スモモ以外にも様々な木を食べます。


▲スギタニキリガ〈Perigrapha hoenei
前翅に3つ並んだ黒三角の模様が特徴。

次回の観察会は、4月18日の18:30~20:00に行います。自由集合、自由解散です。
参加費等はございませんので、是非お気軽にお越しください。

また、友の会では本イベントのような観察会や、友の会限定のサイエンスカフェなどを開催しています。
入会はいつでも可能ですが、年度単位でのメンバーシップのため、年度が変わる今の時期に入会すると、特典を最大限にご利用いただけます。
是非入会も合わせてご検討ください。
https://www.matsunoyama.com/kyororo/blog/?p=15235
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